『Yは、実は…


ほんまはむっちゃええ奴なんやということですわ。
性格悪いとか騒がれてるけど、全然ちゃうで。

ある番組のロケでな
スタッフのミスでホテルの部屋が1個足らん事態になってな
そんとき俺を快く受け入れてくれたんがYや。
風呂は先に入らせてもろたし、ベッドも譲ってもろてな
Yはほんの少しの床のスペースで寝てくれてん。
『松田さんの方が出番も多いし、疲れが溜まってるでしょうから』って
立場を逆にしてくれてな。
ほんまにええやつや。
会うたのもあん時がはじめてやったし、俺に恩があったわけやないねんで。
あんなん普通の人はできんと思うで。
少なくとも俺はな。

暴露話というかまぁ、性格ええねんで、ってことやわ』


『はい、松田さんありがとうございます。
実は、松田さん以外にも、Yさんのことをいい人だという方がここにいらっしゃいまして、ね』


『はーい』


マコちゃんだ。


『ドラマで共演した時、無愛想だとは思ったけど、さりげない優しさがあって惚れそうになったよ』


『お前男やんか』


『それ禁句ー!』



なんて話が盛り上がった。


Yって、やっぱり、優しいんだ。
< 165 / 267 >

この作品をシェア

pagetop