優輝さんの言った通りタクシーで帰ろうとしているとき、優輝さんの携帯が鳴った。



「誰だ?知らない番号だな」



チラッと見えたけど、登録されていない番号からの電話らしい。


迷いながら出ると、、



「もしもし?
あーまじか。
タイミング悪すぎなんだけど」


苦笑してブツブツ文句を言う。


その時呼んだタクシーが到着して、誤作動で優輝さんの携帯のスピーカーボタンが押されてしまったらしい。


『マコが葵に死んじまえって言うたらしくて…
もし嫌でなければ葵のところに行ってやってくれんか?
相手がマコなだけあって、実行し兼ねん。
一生のお願いやぁ』



聞き慣れた懐かしい声。


「やべー。
聞かれちった」


『誰かと一緒なん?』


スピーカーボタンを押してあたしに向かって照れ笑いのようなものを見せた。


「俺ってば天才だから、今葵と一緒なんだよねー…」


『まじか!!!!?』


スピーカーを解除したはずの優輝さんの携帯から、光の大きな大きな声が響いた



「まじまじ。今から帰るとこ。
詳しくはまた今度話すから」


『さんきゅーーー!!!!!
愛してる!』


声でかい…。


「はいよ。じゃーな」
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