「どこにおるかな〜」



地下から上がる階段を上る途中、スマホをいじりだした光がつぶやいた。



「電話番号変えられたからなぁ」



「光も、仲悪いの?」


光の背中に問いかける。


「むっちゃ避けられとるよ」


「そっか…」


「俺が悪いんやけどね」


え…?


あたしの方に振り向いて笑う光には、迷いなんてなかった。


ひたすら白い廊下を歩いてたどり着いたのはSTAFF ROOMと書かれた控え室。


2回ノックして入った光は誰かと話をしている。


そして。


「葵、入り」


部屋の中へ呼び込まれた。
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