春
15時25分
光と並んで歩くにはかなり恥ずかしいあたしの容姿。
足が細長くて、小顔で、だけどバランスのいい長身の光。
そんなモデルみたいな人の隣にあたしみたいな、
全体的に細くもなく、身長も高くなくて普通で、顔も光なんかと並んだら大きく見えるに決まってる。
今更グータラ食っちゃ寝の生活を悔やんだって仕方ない。
いつもよりちょっと気合を入れてメイクすれば、首から下はともかく。
少しは釣り合うだろう。
机の引き出しから、一度しか使ったことがない真っ赤な口紅を取り出した。
ファンデーションもバッチリで
アイラインも長め。
チークもまっピンク。
髪はおろしてストレートに。
伸びていた前髪は横に流す。
これで大人っぽい光に負けず劣らずの顔になれたと思っていた。
光にあんなことを言われるまでは…。
15時55分
「じゃ、行ってくるね」
「うん、行ってらっしゃい」
すぐ下で待ち合わせだから、と待ち合わせ時間ギリギリに家を出た。
光と並んで歩くにはかなり恥ずかしいあたしの容姿。
足が細長くて、小顔で、だけどバランスのいい長身の光。
そんなモデルみたいな人の隣にあたしみたいな、
全体的に細くもなく、身長も高くなくて普通で、顔も光なんかと並んだら大きく見えるに決まってる。
今更グータラ食っちゃ寝の生活を悔やんだって仕方ない。
いつもよりちょっと気合を入れてメイクすれば、首から下はともかく。
少しは釣り合うだろう。
机の引き出しから、一度しか使ったことがない真っ赤な口紅を取り出した。
ファンデーションもバッチリで
アイラインも長め。
チークもまっピンク。
髪はおろしてストレートに。
伸びていた前髪は横に流す。
これで大人っぽい光に負けず劣らずの顔になれたと思っていた。
光にあんなことを言われるまでは…。
15時55分
「じゃ、行ってくるね」
「うん、行ってらっしゃい」
すぐ下で待ち合わせだから、と待ち合わせ時間ギリギリに家を出た。