「かっこよかったわね!」




靴を脱ぐなり口を開いたお母さん。




「あんなナイスガイならお母さんなんでもしてあげるわ!」




あぁ、だから張り切ってたんだ…。




お母さんイケメン大好きだからなぁ。




「お節介はやめてよね」




靴を脱ぎ、リビングへ歩きながらお母さんに言った。




「嫌われない程度に世話をするつもりよ」




世話って…。




「小学生じゃないんだし…」




そう言ったあたしを無視してスキップするお母さん。




もう…。




どんだけ好みだったのよ。




あ、そうだ。メールするって言ったんだった。




部屋に戻りながらスマホを開く。



なんてメールすればいいかな。




アドレスと番号を新しく登録して、メール作成画面にいく。




んー。




普通に。



ー葵だよー。
登録よろしくー。



でいいよね。




と、そのまま送信した。




ベッドに座ってテーブルにスマホを置こうとするとすぐに返信が来て驚いた。




「はやっ」




ー登録完了




まさかの、これだけ。




意外と冷めてるなぁ。




っていうか、あたしなにがっかりしてるの?




なにを期待してたのよ。




別に、メールなんてこんなもんじゃない。




もう…あたしのバカ!




心の中で自分自身を罵倒し、返信をせずに寝転がった。
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