7時45分




「お待たせ」



「さぁ行くでー!」



なんでこんなに張り切ってるんだろうか…。



朝の電話で急遽、光とアパートの階段の下で待ち合わせをして一緒に学校に行くことになった。




それよりもなによりも。




光の初制服姿。



あたしの胸がドキッとしないわけがなかった。




ただでさえかっこよくてドキドキするのに。




でもこのドキドキは多分。




芸能人とかに対するドキドキとおんなじような感覚。




「楽しそうだね、光」




呆れ気味に言ったあたしにキョトンとした光。




「なんや葵は楽しくないん?」




「楽しいわけないでしょ。またうっとおしい学校生活が始まると考えたら…」




「あかんなぁ。学生生活なんてあっという間やで!楽しめんのは今しかないねんで!」



どこのジジイのセリフよ。




「もう十分楽しんだ。高校卒業したって、大学行かなきゃだし」




「あ、分かった。葵友達おらんのやろ」




ニタニタ笑いながらあたしの心を読んだ光。




「べっ別にいなくはないわよ?話せる子なら…たくさん…いや…いち、にい、.…」




数えてみると挨拶しか交わさないような子でさえ3人もいなかった。




いわゆる、ぼっちだ。




「ほれ見てみ。友達おったら楽しいで」




「う、うるさいわね。うわべの友達なんていない方がましよ」
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