「なに言うてんねん。うわべの友達作るからあかんねん」




「だってうわべの友達しかできないもん」




「本気の友達作る気ないからやんか」





「そんなことないし。光だって新しい友達とか、恋人とか出来たらあたしから離れていくよ」



笑って言うと。



「俺は離れへんよ」




いつの間にか自然と動いていた足を止めて、まっすぐにあたしを見た光。




冗談のつもりだったんだけどな。




「いいよ、今は何とでも言って」



つられてあたしも止まったが、すぐに学校へと足を動かした。



「ほんまに」




だけど。




やさしく、でも強く。



光はあたしの腕を掴んだ。




「な、なによ。冗談よ」




「俺は離れて行かんから」




「わ、分かったわよ。ほら、遅刻するから」




なんなの、光…。





スッと離された腕はさみしく揺れた。




なんでこう…気まずくなるかな…。




あたしたち相性悪いんじゃないの?
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