すぐ分かるって…どういうことよ。




考えながら新しいクラス名簿が貼り出されている下駄箱へ向かった。



下駄箱には人だかりが出来ていて。



『一緒だね〜』
『離れちゃったね』
『同じ階だね!』



などなど。


甲高い声で騒ぐ女子たちが大勢いる。



自分のクラスが分かったらさっさとどいてほしいな。



「ちょっと、すいません」



前にいる人たちはどうせもう自分のクラスが分かっている人だと思い、人だかりを掻き分けて無理やり前へ進んだ。




「いった!カバン当たってんだよ!」



あたしの隣で騒いでいた女子があたしを突き飛ばした。


ここが人だかりでよかった。


飛んでいったあたしの体はたくさんの人に支えられて、倒れずに済んだ。



けど。
痛いのはこっちなんだけど。



「すいません、邪魔だったんで」



「は?」



あれ、あたしってこんなこと言うキャラだったっけ。



「てめぇ、今なんつった?」



「別に。聞こえてなかったならスルーしてもらって結構です」



なんか、前までのあたしは、嫌われないように、いい子を装って頑張っていたけど。



今のあたしは。



思ったことを全部言っちゃう、正直すぎる馬鹿だ。




だってこの女の子、めちゃくちゃ怒ってるもん。
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