ザワザワ…ザワザワ…




いつの間にか囲まれていたあたしと光。



『なにあの子』
『めっちゃイケメン』
『新一年だよな?』
『関西弁だぞ!』
『写メ写メ!』



光のことをまじまじと見たり。
あたしと光を交互に見て首を傾げたり。




有名人になった気分だった。




パシャ
パシャ

ザワザワ



騒がれるのも無理はないくらい光はかっこいいけど…。



かっこいいって言われたり、写真撮られたりしたら嫌なんじゃ…。




「あ、光。もう行こっか」



「クラスちゃんと見たんか?」



「うん、大丈夫」



「おっしゃ。んじゃ、職員室行くで」




「へっ?」



光は写メを撮られることや、かっこいいと言われることには無関心の様子だった。



慣れっこなのかな?




「突き飛ばしたあいつの刑を重たくしたるわ」



「えっちょっと、いいよ、そんなことしなくて…」




それよりもあたしが突き飛ばされたことの方が重大だったらしい。
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