9時45分



「おはよう、今日からこのクラスの担任になった稲部だ。よろしくな。
この後の流れとしては…」




生徒からの信頼度が結構高い稲部先生が入学式の流れについて話している時、1番廊下側の前から2番目に座る綾美の背中を見つめていた。



なんか、不思議な子。



「よし!じゃあ移動するぞ」



入学式を行うべく体育館への移動が促されると、綾美があたしの方へ来た。




「一緒に行こ!」




「あ、うん」



これが、綾美との友達生活の始まりだった。




10時30分



入学式が始まり、スムーズに進んで行って後は新入生代表の言葉と、効果斉唱だけが残った。




『それでは、新入生代表…』




次の名前を聞いて、あの意味を理解した。




『山城 光』




式辞を読むから、その打ち合わせのために早く来たんだ…。




そして…。




『この度、異例ではありますが、私、山城 光が、本年度の生徒会長に就任致しましたことをご報告させて頂きます』




これを聞いた瞬間に体育館中が騒然とした。




生徒会長…?



1年生が?




新たな謎が生まれた。
< 58 / 267 >

この作品をシェア

pagetop