春
7時45分
昨日と同じ時間に家を出たあたしが馬鹿だった。
きっちり制服を着こなしてスクバを持って。
まるで超まじめちゃんのような格好で。
アパートの階段を降りると。
ちょうど鍵を閉めている光がいた。
シャツの第一ボタンを開けて。
ダボッとしたズボン。
ベルトがちゃんとしまっていないせいで腰パンっぽくなっている。
傍から見れば不良だ。
昨日はもうちょっとちゃんとしていた気がするけど…。
生徒会長がこんなんでいいのかな…なんて思いながら光に気付かれないようにささっとアパートを出ようとした。
「なんで逃げんねん!」
昨日あたしに一方的に怒ってきたはずの光が後ろからあたしを呼び止めた。
「…一緒に行きたくないんでしょ」
足を止めて振り向いて。
目を細めて言ってみれば。
「うーーーー!嫌や!」
目を瞑って唸ってから勢いよく叫んだ。
「じゃあね、あたし先行くから」
ほら。と冷たく見捨ててやれば。
「ちがうぅ…」
いじけた小さな男の子のように唇を尖らせて。
「…なによ」
むすっとブサイク面で見てやれば。
「…一緒に行きたい」
下を向いて小さな声でつぶやいた。
昨日あんだけあたしに文句言ってたくせに。
「どっちなのよ」
少しだけ。
かわいい弟が出来たみたいで嬉しくなって。
無意識に光の手を引いて歩いた。
昨日と同じ時間に家を出たあたしが馬鹿だった。
きっちり制服を着こなしてスクバを持って。
まるで超まじめちゃんのような格好で。
アパートの階段を降りると。
ちょうど鍵を閉めている光がいた。
シャツの第一ボタンを開けて。
ダボッとしたズボン。
ベルトがちゃんとしまっていないせいで腰パンっぽくなっている。
傍から見れば不良だ。
昨日はもうちょっとちゃんとしていた気がするけど…。
生徒会長がこんなんでいいのかな…なんて思いながら光に気付かれないようにささっとアパートを出ようとした。
「なんで逃げんねん!」
昨日あたしに一方的に怒ってきたはずの光が後ろからあたしを呼び止めた。
「…一緒に行きたくないんでしょ」
足を止めて振り向いて。
目を細めて言ってみれば。
「うーーーー!嫌や!」
目を瞑って唸ってから勢いよく叫んだ。
「じゃあね、あたし先行くから」
ほら。と冷たく見捨ててやれば。
「ちがうぅ…」
いじけた小さな男の子のように唇を尖らせて。
「…なによ」
むすっとブサイク面で見てやれば。
「…一緒に行きたい」
下を向いて小さな声でつぶやいた。
昨日あんだけあたしに文句言ってたくせに。
「どっちなのよ」
少しだけ。
かわいい弟が出来たみたいで嬉しくなって。
無意識に光の手を引いて歩いた。