メガネはずしちゃダメ!
あたしが芹沢の仕事をまとめてる間にいなくなったのか、

集中が切れてなんとなく辺りを見たときに芹沢はもういなく。

心の中で悪態を付いたのを覚えている。

そんなあたしのことはお構い無しかのように芹沢の声がまた部屋に響きわたった。

「出てこないと、

報告書に何て書くかわからないぞ…」

その声は何かを企んでいる。

そんな芹沢の企みを含んだ声で、

あたしは有無を言う隙なんか一つもない。

渋々、机の下から出て行くと、

芹沢は少し驚いた顔をしたけど直ぐに悪魔の笑みに変わってあたしを見ていた。

『……何も言えないのが…悔しい…』

顔をあげることができないあたしを前に芹沢は何かイヤなことを考えているそんな笑顔で立っている。

「なぁ、何で机から出てきたの?」
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