浅葱色に射す一筋の光
鎮火した朝方…ふと辺りを見渡すと、
みんなススだらけ…
翔「クスクスクスクス」
総司「…どうしたんですか?」
翔「あっ!総司! みんなススだらけ…クスクス」
総司「…本当だね…」
翔は桶に張ってある残りの水に手拭いを浸し絞って総司の顔をそっと拭いた。
総司「…翔だって…」と、手拭いの反対側の角で翔を拭いた。
翔「……………散ったね~~」
総司「…え?」
翔「………芹沢さん…………」
総司「…止められませんでした…」
翔「総司は今日1日頑張ったよ…お疲れ様…」
芹沢さん…何故…金策を断られたくらいでそこまで…
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土方「……解散!!!」
後片づけをし、土方の解散を聞いた私たちは幹部達の集まる場所へと向かった。
土方「芹沢さん、火を放ってさっさと帰りやがって…はぁ…酒が入ってなきゃ良い人なんだがな…」
新八「…流石にこれは上が黙っちゃねぇ~だろうなぁ」
新八は芹沢さんを慕っていた一人。複雑だろうな…同じ流派で可愛がられてたし…
土方「…仕事が増えるな…帰るぞ!」
翔はまたおけに行き、手拭いを何枚か濡らし、みんなに渡した。
土方「…総司の顔は拭いたのにな…」
翔「…え?ヤキモチ?拭いて欲しいの?ほら。貸して?拭いて上げるから…」
土方から手拭いを奪い取り、顔を拭いてやった。
翔「よし!綺麗になったよ~!帰ろ?」
もう、2人だけになったから手を繋いで屯所に帰った。
土方「…芹沢を止めたかった理由は?」
翔「…え?」
土方「そこまで必死になった理由…何かあるんだろ?」
翔「…うん。そだね…。生きて欲しいから…明日の朝、芹沢さんと話して良い?」
土方「……あぁ。俺は後処理で忙しいからな……」
翔「ありがとう」