浅葱色に射す一筋の光
翔「はぁ~…芹沢さん…」
本当は生きて…倒幕派になって欲しい。
そうすれば…新撰組は生き残り、
試衛館も立て直せる…今が江戸中期なら…
おそらく大名にまで上り詰めたんだろうなぁ~…。
この時代じゃなければ…
歌を唄って…自分を落ち着かせる。
土方は部屋で翔の唄が聞こえると筆を止めた。
土方「…先の世の歌は…不思議だが…心にクルもんがあるな…」
ふっ!と笑いまた筆を滑らせた。
ーーーーーーーーーーーーーー
夜になり…風呂上がりの2人は向き合って座っていた…。
土方「…芹沢さんの件、自分の中で消化できたか?」
翔「…歴史通りなんだけど…やっぱり納得できないよ…」ふっと視線を落とし、続けた
翔「今までも、何人か殺して来ちゃったけど…全く知らない人を斬るのと…
大好きな人を斬るのとじゃ~違うね…。
相手が長州でも…彼等には家族があった訳で…斬った感触、血の匂い、尽きる時の目…
全てが忘れられない…」
土方はギュッと翔を抱き締めた。
土方「芹沢さんの時は…梅さんを頼んだ」
翔「はい…」声が小さくなってしまった
土方「歴史では梅さんはどうなる…?」
翔「…暗殺されます。あなた達に…」
土方「…守れよ…俺も逃げ道を作るから」
翔「…今までも変えようとしたけど…一度も変えられてない…きっと…総司も…」
土方「…大丈夫だ…大丈夫…どこかできっと…歯車が変わるさ…」
翔「………………………………………」
返事の代わりに土方の背中に腕を回した