浅葱色に射す一筋の光
翔「武田さん…翔です」
武田「どうぞ…珍しい客だな…」
翔「話したいことがあります…」
部屋に通され、座布団に座った…
武田「………私は…直に死ぬのですか?」
翔「は? いや…違いますよ?」
武田「そうですか…では…」
翔「申し訳ありません…無礼を承知で来ました。」 頭を下げ先に謝る。
武田「…言え…」
翔「私はあなたを尊敬している上で話します…。 まず…これからの戦は…海外の戦術、武器を取り入れないと、
新選組は潰れます…。 あなたの頭脳は必要なので…違うところで使って頂きたいんです」
武田「……時代遅れですか…で?違う所でとは?」
翔「武田さんは医術の勉強をしていましたよね?」
武田「はい」
翔「烝はこれから凄く忙しくなる…手が足りなくなるんです…あなたの力が必要となります…そちらに移行できないでしょうか?」
武田「……しかし……此処まで学んできた戦術が…」
翔「………此処は男所帯…病になれば…触りたい放題。見放題…」ニヤッ!
武田「っっっ!!!」
翔「左之の体…引き締まって良い体してますよ? 土方は…綺麗な体してます…無駄がない…」
武田「……………………………………」
翔「総司は…完璧!!!あの体に抱き締められたら…惚れます!!!」
武田「…い…医療の道も悪くないかもしれないな…」
翔「そうでしょうそうでしょう。
医療はこれからどんどん発展します。頭の良い貴方にしか学べない難しい事がたくさんありますし、何より…みんなから尊敬されます」
武田「…悪くない案だな…」
その気になったところで…
翔「武田さん…人に必要とされたかったり尊敬されたければ…媚を売るのではなく、
まず、皆と話せるようになって下さい。 尊敬とか、信頼って…後から付いて来るものなんです。 誰からも信頼される組長になって下さい…私は…あなたに生きて欲しい…
医術も剣術も使える人はカッコいいです。あなたに惚れる隊士も増えるでしょうね…
文武両道なんて…素敵過ぎです!」
その気になった武田観柳斎…
翔「あなたも幹部も…近藤さんの部下じゃない…同士です。 幹部、総長、副長で近藤さんを支え、作り上げるんです。
良い人間性であれば…黙っててもみんな付いていきます…一隊士の私が出しゃばってスミマセン…。失礼します…」
翔は部屋を出て溜め息を一つ…
ごめん。新選組の男共…犠牲になってくれ
武田観柳斎に看て貰うのは嫌だと健康管理もキチンとするはず…
それも翔の思惑の一つだった。