浅葱色に射す一筋の光





  翔「長州が勝ちますよ…桂小五郎さんが…日本を変えます…あなた達の考えは正しかった…ただやり方を間違えた…

  幕府は堕ちます…私はあなた達と同じ志を持った新選組隊士です」 


   古高「何故此方に来ない?」


  翔「新選組が好きだからです。彼らが変わらないのなら私は新選組と共に死ぬだけです」


     古高「オナゴなのに…」



  翔「ふふ…私が幸せならそれで良い…」


  古高「吉田が好きになる筈だ」


     翔「どういう意味?」


  古高「自分の意志を強く持っているお前だから…だろう」


       翔「麻呂…」


      古高「麻呂?」


  翔「吉田稔【麿】の麻呂なんです。私も彼が好きです…恋の好き…とは違うけど…

      尊敬してます」


  古高「……どの位先から来た?」


     翔「150年位先です…」


  古高「どんな世になっている?」


  翔「とにかく…女性が強くなりました。男尊女卑がなくなり、女も戦に出るし、政治も携わる…お店や社会でも…常に男が上に立つ訳ではなく…できる奴が上に登れる軽く下克上ですね…」


    古高「面白い世になるな……」



  翔「日本は、世界でも軍事的にも、商業でも強いんですよ…世界に通用する小さな巨人なんです。それは…あなた達、長州の人達が作り上げた未来です」



     古高「………桂殿が…」



  翔「はい…あなたが持っていた武器、弾薬が無くても…戦をしなくても世は変わったんです…無くてはならない戦ではなかったんです…」
  

    古高「…そう…なのか?」



  翔「残念ながら…国内の最後の戦は長州対薩摩でした」



      古高「そうか…」




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