浅葱色に射す一筋の光





   マスクの制作に励む一方…タイマンの勝負も未だ土方以来、負け知らずで

  毎日毎日金魚の糞はくっついてくる。

  洗い替え用に1人二枚を作り終え、

      後は平隊士の分。

  総司は労咳なんかにはならせない!!

  総司は近藤さんの為に生きてきたんだ。

  布団の上でなんか…死なせない!!!



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山南さんは…正直どうして良いか分からな い。 伊東甲子太郎さえ来なければ

    平助も死なない。奴は絶対

    新選組には入れさせない!


  近藤さんが撃たれるのも…死ぬのも…

   奴らが関わってるんだから…。



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   芹沢一派は……どうする?

 芹沢一派とも一度ゆっくり話さないとな~…

 縫い物をしながら眉間に皺を寄せながら

      ブツ ブツ呟く翔。

 そんな姿を怪訝そうな顔で見てるのは土方

  そろそろ大阪力士乱闘事件もある。

  やることが山積みだ…。胃が痛い…。



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    マスク制作開始から3日後

 近藤さん「これより…外出、隊務の際にはま

 すくの着用、外出先より帰屯の際には

  うがい 、手洗いを義務付ける。

  京を守る我々が病気になり町民に

     移しては話にならん。

  呉々も自己管理に気を配るように!!

  自室の掃除も怠ってはならない!!

   良いな!! もし…守らず、目に余る者がある場合には…給金より差し引く!」

     よしっっっ!近藤さん、

     よく言って下さった!

 文句を言ってる平隊士や幹部もいるけど、

 病気になられても困る。ココは耐えてくれ!!


   新八「翔、何ニヤニヤしてるんだ!」


  翔「文句言える元気があるって良いな~

   … って。病気になって寝たきりになって、これからちゃんとするからって言ったって遅い時もあるじゃん?

  元気で文句言えるって幸せだよね~。

   いざ、戦になって風邪で出れないって…

   武士としてマズいでしょ?てか、

  風邪で無理に戦に出てみんなに

    迷惑かけるのも馬鹿でしょ?

  それに…自己管理出来ないせいで

  病気になられても、医者にかかる

      お金も無いからね!!

  平隊士も…幹部も…この組にとって

 不必要な人材なんて誰一人いないんだから」


  平助「確かにな~。自己管理出来ないで町民守れるかってんだよな~!!」


  翔「でしょ! 破れたり無くしたら

   言ってくださいね~!! また作ってあげますから!! 私の愛の鞭と共に!!」

  組全員が私達の会話を聞いていて

  胸がほんわか温かくなっていたなんて…

       知らなかった。




 言葉一つでみんなの意識が変わるなんて…。




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