あざとい系女子×騙されやすい系男子
「はぁー面白かった。」
ひとしきり笑った私は、本題へいこうと早川くんを見ると
「あの、そろそろ本題いってもいいですか?」
少し拗ねた様子で早川くんも私を見る。
やっぱり、可愛い顔だなぁ。
犬を連想させるような丸い目に高くも低くもない鼻に茶色の髪の毛。耳としっぽがあれば完璧
「先輩、なんか変なこと考えてません?」
「え!そんなことないよ?」
咄嗟に得意の微笑みでごまかす。
やばいやばい。
「あのですね、」
万年キープくんの名を返上したいが、これ以上どうしようもなく、そこにキープくんがいっぱいで恋愛経験が豊富な先輩が居ると友達に言われ、どうか恋愛指南してくれないか頼んでみようと思った、と。
「っていうか、そういうのを経験して恋愛を完成させるんじゃないの?」
「でももう、俺……20回ほど騙されていて……」
がくっと項垂れる早川くん。
「20回……」
「挑戦して挑戦しての結果で、もうどうしようもないですよね?」
「とはいっても、私にメリットないんだけど」
「えっと、あまり言いたくないですが。俺、早川コーポレーションの御曹司です。」
「早川、コーポレーション……」
ということは佐原さんが勤める葛西建設の親会社だけじゃない。今や日本のトップ企業だ。
「そうです。実家はまぁそれなりにデカいですし。別荘も日本なら5つくらいかな?海外にもありますよー」
ニコッと笑う、早川くん
「え?じゃあなんでバイトしてるの?」
「それは……社会経験?」
「あぁそう。」
はぁー。まぁお金はないよりはあった方がいいし、ってか
「それ、付き合った子達に言ったことある?」
「うん?気付かれたりはしますよー最初っからは言いませんけどね。」
「なのに、浮気されちゃうのね。」
「ちょ、先輩?今俺の傷抉りましたよ?」
「ふふっ。まぁちょうど、3人居なくなっちゃったからいいよ。金曜日に指南してあげる。その代わりー!夏休みに、別荘連れて行って?それで最後にしよっか。」
「そんなんでいいんですか?」
「可哀想な箱入り息子を救ってあげる」
「はいっありがとうございます!」
こうして、2ヶ月の期限付きの恋愛指導が始まった。