理想の彼氏
ゆっこの声にハッとし、彼女の方を向きなおすと
作りたてのカシスオレンジを私に手渡し言った。
『かんぱーーーーーい!!!!』
その言葉であたしのテンションも一気にあがった。
「かーーーんぱーーーーい!!!!」
慣れない感じで曲に乗りながらお酒を飲んでいるとそんな強くないお酒がどんどん進んで、
気づけば世界が回っていた。
「ゆっこーー!酔ってきた!!おっこの曲好きだわ!いええー!」
『やべ、普通に楽しくね!?』
多分きっとあたしたちは周りの男女よりその時一番テンションが高かった。
「はははは!!やば・・・あっ」
下品に大口を開けて笑うあたし。
目の前には
スラッと高めの身長、ほんのりパーマがかった栗色の髪、大きめな二重の瞳、ツンと鼻筋の通った
男の人が友人と思われる男と話していた。
『どうしたの??』
「いや、あれ。あそこの人なんかかっこよくね?あそこの黒いTシャツよ!」
ゆっこはそれじゃばれちゃうじゃん!ってくらいあからさまにそっちの方にぐるりと首を回し彼を見た。
「おい、こら!」
『あーーーかっこいいいい。』