カッパァ華
翌朝、早くに二人は政吉の車に乗り目的地に向かっていた。



「なんやろなぁ、あれ!
何が生まれたんやろかー?
メッチャわくわくするよな!」



秀樹は普段の二人とは違い、頼もしい父親との探索におおはしゃぎだ。



車ではいつもの自転車とは違い、あっという間に着いていた。



手慣れた様子で獣道に入る父親の後を追いかけ、秀樹は普段とは違ったスピードに必死に着いていっていたのだ。



「あそこやわ! おとん!」



秀樹が指差す方向には、昨日と同じ姿で置かれている卵があった。



「これ! これや! おとんこれなんの卵なんや?」



政吉は黙ったままその卵を確認していたが辺りを見渡し、もう1個の卵を見つけるとそちらへと歩いて行っていた。



「な! 嘘ちゃうやろ! なにが産まれたんやろ?」



「他には、もうなかったんか?」



「わからん。昨日武志がびびってたから他は探してないねん。
まだあるかもしれんけど!」



そう聞くと政吉は辺りを歩き出し、念入りに草木を掻き分け探し出したのだ。



それを見た秀樹も同じように草木を手で払いのけて探し始め出す。



一時間ほど経った頃だろうか、父親が更に二個を見つけた形となっていた。



「すげー! 全部で四個もあるやん!
やっぱり……恐竜か? これ?」



黙っていた父親が口を開きだした。



「お前には、まだ言ってなかったな。
ここはな、昔は河童山って言われてたんや」



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