カッパァ華
大人たちは、政吉の手を取り一緒に村へと連れて帰っていた。



「なんだろ? いったい……?
大人はよくわからんなー」



今日は魚もすでに河童にあげていた政吉は、自分の部屋に帰り、河童の絵を書いて遊んでいた。



その表情は優しく、ほのぼのとした空気が流れていたのだ。



父親が夕方遅く自宅に帰ってきたが、政吉を悲しそうな声で呼んでいた。



「政吉……おるか。」



「おとうちゃん、おかえり!」



「政吉……ちょっと台所に来てくれ。」


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