カッパァ華
自宅に帰ってきたのは、日も沈んだ時刻になっていた。



「また河童山に行ってたんか? 秀樹」



「そうやで! カッパァは見れなかったけどな……」



「それより、お前……夏休みの宿題終わったんか?」



「あ……忘れてた……カッパァにお願いしたのになぁ……」



「河童様がするわけないだろ……」



「あーどうしよ……自由研究……
やっぱりカッパァについてがいいかも。
カッパァの日常とかどうやろ?」



「だからな……前にも言うただろ。
河童様をむやみに広めたら河童様はあそこには、住みにくくなるぞ!」



「それはイヤや! 
じゃあ……どうしよう。
あ! アサガオとかにしよう!」



「お前、アサガオ育ててないやろ……」



「去年書いたのあるやん! それ書き移すわ! おれ、あったまいいー!
これでまた毎日カッパァに会いに行く時間できたー!」



「まぁ……好きにしろ……」



「それよりさ、おとん。気になったことあんねん」



「なんや?」



「カッパァは、今もおるやろ?
じゃあ、毒入れられた時な、どこに住んでたんや?」


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