カッパァ華
秀樹がカッパァ華と名付けた、その華畑の奥には、カエルが大漁に山積みにされている光景が二人の目には映っていたのだ。



「もしかしたら、あのカエル……俺が捕まえてきたやつかもしれん!
だって、あんなに最初からこの池にはカエルおらんかったもん!」



それを見た秀樹は、その方向に走りだしていた。



「おい! 秀樹! もっとゆっくり行け。
転んだら危ないだろ!」



「大丈夫や! おとんー!! 早く!!
なんかデカイ穴があるぞ!?」



走っていった秀樹の先には、地下に斜めに延びる大きな穴が、ぽっかりと口を開いていたのだ。



「これか……地下やったんか。」


政吉はその穴の前で呟くように言っていた。

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