カッパァ華
「おとん! これちゃうか!
ここがカッパァの家やろ!
ここなら、あのデッカイやつも入れるはずやわ!
ここに間違いないわぁ!」



さっきよりも興奮した口調で秀樹は叫んでいた。



「ああ。たぶんそうかもしれん。
おじいちゃんが昔、話してた穴っていうのはこれかもな……
河童様は、あの昔の毒の一件以来、ここで生き延びてたんやもしれんな……」



「中に入ろうや! なぁ行こうや!」



「もういいだろう。場所がわかったんやから。それだけで充分だろ。
もし中に河童様がいたら、ビックリしはるやろうからな」



「えー! 嫌やわ。俺、カッパァに会いたい!」



二人が大きな声で騒いでいると、穴の中からガサガサと地面が擦れる音が響いてきた。

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