カッパァ華
「誰が魚を釣るとか言ったよ!
カッパァ釣るんや!」



それを聞いた二人は目を見合せ、さすがにすぐには反応は出来なかった。



「…………カッパ? カッパてなんぞや? カッパて……」



「そのままや! カッパァ釣るんや!」



「…………秀くん……そんなテレビ番組見たんか? 昨日そんなんやってたんか?
また、【未知の生物を探せ!】みたいなテレビやってたんか?
おれ、見逃したやん……
あれ、おもろいのにぃ……」




「ちゃうわい。昨日はそんなテレビやってないわ!
昨日なおとんと、ここ来たんや。あの卵を見に二人でな!
そしたらな、昔はここにカッパァがいたんやって、おとん言うたんや!」



「え? カッパてあのカッパがか?」



「どのカッパァか知らんが、そのカッパァのことや!」



「マジか? あのキュイッキュイッって鳴くカッパか?
そのカッパがほんまにおるんか?」



「そんな鳴き方かどうかわからん……
ただ昔は、おったんやて!
あの卵がそうちゃうかって!
おとんが言うから間違いないわ!」



「まじかよー!
秀くんのおっちゃんが、そう言うなら間違いないわ!
すごいな! ほんまにあの酒ばっかり呑むカッパがおったんか!」



「とおるのカッパァのイメージは、よくわからんな…………
でも! 俺ら見つけたら大金持ちなるんちゃうか!
なぁ、武志!」



二人の会話を聞いていた武志は、顔面蒼白となり、ただただ隣で震えていた。


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