カッパァ華
「おとん……あそこって……」



「そうや! 河童山が燃えとるんや!
はよ着替えろ! 秀樹!
村の者たちも協力して山火事を消すのを手伝いに行くんや!」



秀樹は目の前で起きている事と、父親の言葉が理解出来ずに、ただ窓から河童山をずっと見続けていた。



部屋には、ゆいも上がってきて秀樹に言葉を発していた。



「秀くん! カッパさんが…… カッパさんが……」



その河童という言葉に慌てて秀樹は服を着替え、ゆいの手を取り玄関から外に出ていた。



自転車を懸命にこぎ、河童への道のりを急いで向かっている3人の姿がそこにはあった。



「カッパァ……」



秀樹は願うように呟いていた。





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