カッパァ華
「なぁ秀くん、あの見付けた卵はカッパのなんか?」



「おとんが言うから間違いないわ!」



「すごいなー……2匹のカッパがおるってことやよな?」



「昨日な、まだ他にも二個の卵見つけてん! だからもっといっぱいおるんちゃうか?」



「そんなにおるんか……
ちょいと怖くなってきたわ……」



「大丈夫や! カッパァは守ってくれるらしいから! おとん言うてた!」



「じゃあ、大丈夫やな!」



「武志! お前またおばちゃんに、ちくったら、カッパァに喰わせるからな!」



「どっちやねん……カッパは守ってくれるんちゃうんか……」



武志の話は聞き流し、そのまま夕方まで3人は釣れない釣りをし続けていた。



辺りは暗くなり、風も冷ややかになり始めだし、3人が今日は諦め帰ろうとした時だった。



武志がそのまま地面に置いていた竿が一気に池に引き込まれた。



3人が唖然とした表情で見ている竿は、そのまま池の中に引きずりこまれてしまっていたのだ。



「おい……カッパァがやったんや……
それしか考えられん!
カッパァは、ショックン喰うんや!」



大興奮の秀樹とは対照的に二人は、言葉にもならない悲鳴をあげていた。





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