カッパァ華

秀樹は、食べ終えた後片付けをすすんでやり、母親の負担にならないようにしていた。


「本当に優しい子になったね、あなた」



「あぁ。お前のおかげや。ありがとうな」



「いいえ。私は何も出来なくて……」



「明日の朝には、病院に戻らないと行けないのか？
もう少しゆっくりは出来ないのか……？」



「はい……本当は今日にも戻らないといけなかったけど、先生に無理にお願いしていて。でも二人の顔が見れたから元気になってきたから！」



「そうか……じゃあ今日はもう無理せんとゆっくり横になってな。
明日の朝には、俺が病院まで送って行くから」



「ありがとう。あなた。
じゃあ、あと少ししたら横になるわね」



秀樹の後ろ姿を優しく見ながら、母親はゆっくりとした口調で答えていた。