カッパァ華
第10話……引っ越し
翌朝も秀樹とゆいは、懸命に河童の無事を信じて探していたが、昼になっても何も見付けることは出来ずにいたのだ。
木々が焼け落ちたあとの山中には、日差しが照りつけ、二人の体力を容赦なく奪ってもいっていた。
「明日から学校始まっちゃうね……」
「やだよ……カッパァ探せなくなる……」
「学校終わればすぐに探しにこよう!
わたしも毎日、一緒に秀くんとこうやって探すから!」
そう、小学校生活の最後の夏が終わりを告げようとしていたのだ。
それは、楽しい想い出もあったが、悲しい出来事のほうが上回ってしまう夏になってしまっていた。
言葉を交わすことの出来ない仲間を見付けた夏。
しかし心で会話をした日々だった。
たくさんの優しさに触れ、しかし心配を抱えたまま終わる夏に、二人の小さな影は淋しく揺れていた。
「明日からもまた、一緒に探そうな!
ゆいちゃん!」
しかし、秀樹のその言葉は実現することは叶わなかったのだ。
木々が焼け落ちたあとの山中には、日差しが照りつけ、二人の体力を容赦なく奪ってもいっていた。
「明日から学校始まっちゃうね……」
「やだよ……カッパァ探せなくなる……」
「学校終わればすぐに探しにこよう!
わたしも毎日、一緒に秀くんとこうやって探すから!」
そう、小学校生活の最後の夏が終わりを告げようとしていたのだ。
それは、楽しい想い出もあったが、悲しい出来事のほうが上回ってしまう夏になってしまっていた。
言葉を交わすことの出来ない仲間を見付けた夏。
しかし心で会話をした日々だった。
たくさんの優しさに触れ、しかし心配を抱えたまま終わる夏に、二人の小さな影は淋しく揺れていた。
「明日からもまた、一緒に探そうな!
ゆいちゃん!」
しかし、秀樹のその言葉は実現することは叶わなかったのだ。