カッパァ華
政吉は秀樹の部屋に入り、ゆっくりと腕を掴んで台所に連れていっていた。



「なぁ秀樹、食べよう。
お前が元気ないのを見るのは、お父さんつらいわ……
お母さんも、そんな泣いてばかりのお前を見たくはないはずやぞ」



「でも……カッパァはどうなるんや……
俺たちがいなかったら、カッパァは見付けてもらえないかもしれんやん……
なぁ……ほんまに引っ越ししやな、あかんのか……?」



「あぁ……仕事でどうしても行かないとあかんねや……」



「でもそれじゃあ……カッパァが……」




「秀樹、河童様をあれだけ探しても見付けることは出来なかったんや。
きっと生きてはる。
お父さんの友達が生きていたように。
そう信じよう……」
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