カッパァ華
「はい。静かにして、みんな席について!」



生徒たちはさっきまでの賑やかな話を控え、各々の席へと移動していった。



「あれ? 秀樹くんなんで先生の横にいるの?」



一人の生徒が不思議そうに口に出していたのだ。
その言葉をきっかけに、生徒たちはザワザワと話だし始めていた。



「ほんまやぁ! なんで秀樹は前におるんや?」



「またなんか悪さでもしたんかー?」



「なに悪さしたん? 秀樹くん!」


「また秀樹のいたずらかー! 先生に見つかったんだろー!」



「はいはい。静かにして!
みんなちゃんと聞いてね。
秀樹くんは、悪さなんかしてません。
秀樹くんはね、お父さんの仕事の関係で引っ越ししなくては、ならなくなったの」



「えー! いつ? いつ?」



「明日だよね、秀樹くん?」



秀樹は、担任の先生の呼び掛けに無言で頷いていた。



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