カッパァ華
「え? なにこの卵……」



「これがカッパァの卵らしいねん!」



「こんなの見たことない……
大きいね、これ……
でもカッパの卵なの……?」



「おとんがな、言ってた!
昔はたまにカッパァ見かけてたって!」



「そっかぁー。じゃあ秀くんは、それを探してるんだ!」



「せやねん! 子供の前にしか現れてくれないんやって。だから……」



少し寂しそうな顔をした秀樹をゆいは見ていた。


「じゃあ……わたしも秀くんと一緒にカッパさんを探す! そのカッパさんを一緒に探そっ!」



「やった! でも、ゆいちゃんは恐くはないのか? カッパァを……
武志らビビりやがって来ないんよ」



「怖くないこともないんだけど……
でも、秀くんいるから!」



「まかしとけー! もし狂暴カッパァが
出てきても、ゆいちゃん守っちゃる!」



小さな小さな恋がパッと開いた瞬間だった。



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