カッパァ華
「なんか……恥ずかしい……」



「あいつら、からかいやがって!
夏休み終わったら広めそうな二人やわ、よりによって……」



「もしもあの子達が広めちゃったら、秀くんは困るよね……?」



うつ向きながら、恥ずかしげに話すゆいを秀樹は見つめていた。



「え……んっと、えっと……別に……」



カエルを捕まえている勇ましさはどこに行ったのか、秀樹なりの力一杯の大丈夫だよ!の合図だった。



二人の会話がぎこちなくなってきたのが分かった秀樹は、ゆいにまたカッパを見に行く約束をし、自宅に戻っていった。



「ちぇっ。あいつらー」



秀樹はそう言いつつも、一緒にゆいと河童を見れた嬉しさに、顔はにやけていた。



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