カッパァ華
自宅に戻っていた秀樹は、今日の出来事を絵日記に書いていた。



「たしか、こんな色だったよな!
カッパァって! 図鑑と違うんよなぁ。
おとんが言うように、実際に見ないと広めたらあかんよなぁ……」



ブツブツ呟きながら、秀樹はクレヨンを使いながら、色を塗り重ね描いていた。



「んむ。我ながらよくできましたぁ!」



夏休みの宿題は引き出しの中にしまいこみ、お絵描きを優先している秀樹だった。



「おとん、まだ帰ってこないなぁ……
はよ帰ってきたらいいのになぁ。
この絵見せて、褒めてもらうねん!」



母親がいなくなった、秀樹は褒めてもらえる唯一の父親に早く見せて甘えたかったのだ。

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