カッパァ華
「ただいま、秀樹おるんかー?」



「おかえりなさいませ、おとんさま」



「はぁ? なにいうてんねん、お前……」



「ご飯の用意をしてましたのよ!
先にお風呂に入ってくださいまし。
上がる頃にはお米も炊き上がっていると思いますことよ。オホホ」



どこかで聞いたような、言葉を並べ立て話す秀樹だった。



「あぁ……お前、どこか頭をぶつけたとかちゃうやろな……」



「大丈夫でごわすよ! オホホ」



「ご……ごわす……
まぁ……怪我ないなら、いいが……
風呂行ってくるわ……」



何度も何度も、秀樹の顔を見る父親政吉だった。

< 56 / 193 >

この作品をシェア

pagetop