カッパァ華
「みんなには、内緒にしとこうな!
みんな来て騒いだら、カッパァの住処なくなったらあかんし……」



「そうしよう! また見れるかなぁ。
おじさんの言うてたように、危害とか加えないみたいだしね!」



「俺もまた見たい!
夏休みもうすぐ終わっちゃうけど、それまで毎日見に来る!」



「あ……秀くん、宿題終わったの?」



「あ。しまったぁ! カッパァは神様だから頼むの忘れてたぁ……
びっくりして、お願いできなかった……

夏休み終わるまでにお願いしないと、間に合わないよ……」



「たぶんだけど……それは……
無理だと思うよ……秀くん……」






その日の夜、秀樹は父親に今日の話をしていた。


「とうとう目の前でな、カッパァみてん!
今日カッパァから、目の前に来てん!」


「ほぅ……お前も見たのか。河童様。」



「見た! 見た! 甲羅でかいのな!
あそこに入って寝るんかなぁ?
グァァァア! 言う鳴き声やったわ!」



それを真似て父親に見している秀樹だった。



「河童様はな、めったに人前には出てこないんや。
お前、カエルをいっぱい持っていってあげてるから、気に入られたんかもしれんな」


父親は、優しい表情で息子を見ていた。

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