カッパァ華
今日はゆいが家族で旅行だったため、秀樹は一人で山奥に向かっていた。
「武志ら、どうせ来ないしな。
まぁいいかぁ!
また武志のおばちゃんに、無理やり連れていってぇ! とか言われるの分かるしなー」
ぶつくさ言いながら秀樹は、軽快に昨日河童を見た場所に行っていた。
目的地に着くと、地面に腰を下ろして
辺りを見渡す。
「いないなぁ……おーい。カッパァ!」
反応があるのは、飛び去っていくセミだけで、河童は姿を現さなかった。
「おーい……カッパァ……」
やはり一人ではこんな山奥では心細いのだろう。
勇気を奮い立たせるように、秀樹は河童を呼んでいた。
「カッパァ……お前何食いたい? カエル以外にさ……捕まえてきてやるのに……」
その時だった。
秀樹の後方から草を掻き分けるガサガサとした音が聞こえてきたのだ。
「カッパァか?」
振り返るとそこには、歯を剥き出しにした野良犬が、ジワジワと秀樹に近付いて来ていた。
「武志ら、どうせ来ないしな。
まぁいいかぁ!
また武志のおばちゃんに、無理やり連れていってぇ! とか言われるの分かるしなー」
ぶつくさ言いながら秀樹は、軽快に昨日河童を見た場所に行っていた。
目的地に着くと、地面に腰を下ろして
辺りを見渡す。
「いないなぁ……おーい。カッパァ!」
反応があるのは、飛び去っていくセミだけで、河童は姿を現さなかった。
「おーい……カッパァ……」
やはり一人ではこんな山奥では心細いのだろう。
勇気を奮い立たせるように、秀樹は河童を呼んでいた。
「カッパァ……お前何食いたい? カエル以外にさ……捕まえてきてやるのに……」
その時だった。
秀樹の後方から草を掻き分けるガサガサとした音が聞こえてきたのだ。
「カッパァか?」
振り返るとそこには、歯を剥き出しにした野良犬が、ジワジワと秀樹に近付いて来ていた。