カッパァ華
その二つの姿が見えると、秀樹の横にいた河童はそちらに走っていった。


大きな河童は秀樹を警戒するように、叫びだした。


「グアアアアア! グアアアアア!」


秀樹はその声に驚き、尻餅をついたまま動けなくなっていた。




帰り際も秀樹の姿をチラチラと振り返りながら、3匹は池へと姿を消していた。




「あれって、おとんとおかんだよな……
たぶん……
さすがに兄弟ではないだろな……

にしても、でかかったー!
ほんま、熊やん……
あんなん見たら武志は、失神するやろな。
あいつ連れて来なくて正解やったわ……


でも……あんなにでかいと、いつものカエルじゃ足らないよな……
それにデカイ一匹の奴、片手無かったな……

よし! また明日カエル頑張って取ってきたんねん!
元気にさしたんねん!」


秀樹はゆっくりと立ち上がり、池を覗いていた。


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