カッパァ華
家に帰ったあとの夜、予想通りに玄関のチャイムが鳴っていた。
武志の母親だ。
「また秀くんは、武志を泣かせて!
毎回毎回……本当に反省してくださいっ!
まったくもう……
秀くんのワンパクさには、ついていけませんよ!」
毎度の事なので、秀樹は適当に挨拶をしてプロレスをテレビで見ていた。
「なぁ、おとん。こんなでっかい卵知ってるか?」
秀樹は身ぶり手振りで今日見た卵の大きさを伝えていた。
興奮がまさり、それは何倍も強調されてはいたが。
「なんやそれ? ダチョウの卵の事言ってるんか?」
「ダチョウー? あの山にダチョウおるんか?」
「あの山にまた行ったんか。あの山にはダチョウはおらんが……
そこで見つけたんか?」
「せやでー! なんかなぁ、よくわからん卵が二個あってん!
でかい割れた卵が! 何か分かる?」
政吉は秀樹の顔を見ながら考えていた。
「お前、ほんまにそれ見たんか?」
「ほんまやでぇ! 嘘ちゃうで!」
「まだそれはそこに残されてあるんか?
どこらへんにあってん?」
「まだあると思うで! 触ってへんし!
池の横の木の間にあってん!
あんなん初めて見たから、メッチャびっくりしたわ!」
「そうか……池の横か……
明日一緒に見に行ってみよか、そこを」
「おー! やった! じゃあ明日な!」
政吉は何かをずっと思い出しているかのように、それからは黙っていた。
武志の母親だ。
「また秀くんは、武志を泣かせて!
毎回毎回……本当に反省してくださいっ!
まったくもう……
秀くんのワンパクさには、ついていけませんよ!」
毎度の事なので、秀樹は適当に挨拶をしてプロレスをテレビで見ていた。
「なぁ、おとん。こんなでっかい卵知ってるか?」
秀樹は身ぶり手振りで今日見た卵の大きさを伝えていた。
興奮がまさり、それは何倍も強調されてはいたが。
「なんやそれ? ダチョウの卵の事言ってるんか?」
「ダチョウー? あの山にダチョウおるんか?」
「あの山にまた行ったんか。あの山にはダチョウはおらんが……
そこで見つけたんか?」
「せやでー! なんかなぁ、よくわからん卵が二個あってん!
でかい割れた卵が! 何か分かる?」
政吉は秀樹の顔を見ながら考えていた。
「お前、ほんまにそれ見たんか?」
「ほんまやでぇ! 嘘ちゃうで!」
「まだそれはそこに残されてあるんか?
どこらへんにあってん?」
「まだあると思うで! 触ってへんし!
池の横の木の間にあってん!
あんなん初めて見たから、メッチャびっくりしたわ!」
「そうか……池の横か……
明日一緒に見に行ってみよか、そこを」
「おー! やった! じゃあ明日な!」
政吉は何かをずっと思い出しているかのように、それからは黙っていた。