カッパァ華
「あれ。なにか動いてる……」



政吉がそう呟いていたその時。



[バッシャアァァァァン]



池の水が割れ、緑の生き物が魚をくわえて水中から飛び出してきた。



「カッパァ!」



政吉は慌てて池にかけより、その方向を見ていたが、雨による地面の緩みに足を取られ、池に引きずり込まれそうな位置まで体は落下していた。



「ワァァァァァァァ……」



池からギリギリの位置まで体は落下し、必死に上がろうとするが、地面がぬかるみ這い上がることが出来ずにいた。



「だれか……あがれないよ……
だれか助けて……だれか……」



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