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「今何時?」
「11:30です。」
「お腹すいた……。」
そりゃそうだ、こんな時間なんだから。
俺だって腹減った。
「ご飯、一緒に行こ。朝のお詫び、何か奢らせて!」
「えぇ?!」
「いやだった……?」
そんな子犬みたいな目で見上げるなよ……。
「嫌じゃないですけど……。」
「よし、じゃあ決まり~!」
強引な人……。
そこから、ほとんど人のいない校門を出て、篠崎さんのオススメのお店に来た。
レトロな感じのカフェ。
マスター(??)は、白髪と白い髭が似合うダンディな方。
大人の男? みたいな感じ。かっこいい。
「おじいちゃん、久しぶり! いつものオムライス2つね!」
「いらっしゃい。」
「こんにちは。」
「……ナミか……?」
篠崎さんのおじいさんは、挨拶した俺を見て目を丸くしている。
また"ナミ"……?
「おじいちゃん、こちら市川歩実くん。」
「え、あ、あぁ……いらっしゃい。晴夏の彼氏か?」
「いやっ、ち、違います! と、友達です?」
「もー、おじいちゃん気が早すぎっ!」
いやいや、なんで疑問系で返しちゃったの?! 俺!
「はははっ、そうか。まぁ、ゆっくりしていってくれな。」
「は、はい。」
なんかわかんないけど、良いマスターみたいだ。