兄妹愛の境界線
お兄ちゃんからじわじわと放たれる
俺に構うな、というような冷たい視線
おにぎりが乗った皿を落としそうになるのを
力を入れ直してグッと掴む
ねぇお兄ちゃん
私はそんなに邪魔な存在…?
「ごめん…っ、…もったいないから
葵に渡してくるねっ…!」
涙が出そうになるのをこらえて
私は作り笑いをした
お兄ちゃんはそれに気づいたのか
スッーと一瞬手を差し出したけれど
またすぐに引っ込める
ガチャッ―
「ふぅー…やっと行ったか…」
「ごめんな、……澪」