兄妹愛の境界線



場所を移して座ってから

私と優月くんのあいだに

しばらく長い沈黙が流れた


夕方になり海岸には

私たち以外にはほんの数名しかいなくて

波の音だけがただずっと響き渡る






「優月く…ん…?」



「………………」




名前を呼んでみるけれど

優月くんはずっと下を向いたまま

口を開こうとしない


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