兄妹愛の境界線
飲み物を買い終え
また私達は波打ち際へ腰をおろす
夕焼けの茜色もだんだんと深くなり
私たちの影が色濃くのびる
「さすがにちょっと肌寒くなってきたから
はい、これ」
そう言って優月くんは
着ていた上着を私の膝にかけてくれた
「ありがとう」
「いえいえ、風邪引いたら大変だしねっ
そういえば澪ちゃんって炭酸苦手なの?」
「えっ?」
「さっき炭酸ジュース以外ならって
言ってたから」
「うーん、なんかあの
シュワシュワする感じが
ちょっと苦手かな」
「えーそれがスカッとしていいのに~」
と、炭酸ジュースを飲みながら
隣で優月くんが柔らかく微笑む