先生×私Ⅱ~隣の部屋の王子様~
次の日。
結局私は調査書に何も書かずに提出してしまった。
やりたいこと…………。
私の夢…………
ずっとそのことが頭をめぐる。
昼休み。
放送が鳴った。
「3-1朝日さん。大城さん。至急職員室の杉浦まで。」
え…………。
まさかの呼び出し……。
「きゃあ!♥杉浦先生から呼び出されちゃったぁ!」
可奈子のテンションがかなり高い。
呼び出しなのにそんなテンション上がる??
「菜月っ!早く行きましょ?先生が待ってるよっ!」
可奈子に手を引かれて職員室に入る。
入るとすぐに先生が待ち構えていた。
「先生ぇ!先生から呼んでくれるなんて可奈子嬉しいぃー!」
可奈子が先生に大接近する。
「おい、離れろ!嬉しい内容で呼んだんじゃねーよ!!」
「んー?なんか先生いい匂いするっ!」
あ……あの香水……。
「俺の大切な香水つけてっからな。」
//////。なんか照れる。
「いい匂いっ!!」
「はいはい。
で、お前らを呼んだのにはワケがあんだってば。」
「なになに??」
「大城……お前進路調査に何て書いた?」
「え?
そりゃぁもちろんお嫁さん♥って書いたよ?」
「アホか。」
「だってホントにやりたいことはお嫁さんなんだよ?もちろん先生のっ!」
可奈子……
気持ちをオープンにしすぎでしょ。
「さらにアホか。お前なぁ……大学は行けよ。俺の嫁だと? んなもん間に合ってるっつーの。」
「え?!先生彼女いるの??」
ドキッ……
「いちゃ悪いのかよ。」
「えぇぇぇぇぇぇ(泣) 学校の王子様がぁ!やだぁー、先生のこと私の方が好きなのにっ!」
二人の会話に入りにくい……。
「……大城はちゃんと進路決まってんだろ?」
「………………。」
「この前言ってたもんな?」
「聞いてたの??」
可奈子の顔が明るくなる。
「そりゃ、生徒のことは把握してるよ。」
「…………生徒っ…………もぅ…………。」
「書き直してきな?明日提出して?」
「……はぁい。」
そう言って可奈子は職員室を出ていった。