先生×私Ⅱ~隣の部屋の王子様~
お風呂から上がった私は
のぼせたのか照れたのか分からないくらい真っ赤になってしまった…………。
冷たいお茶を飲みながらさっきの資料に目を通す。
……………………。
やっぱり………………。
この資料の大学……全部地方なんだ。
1つの大学に目が止まる。
福岡……かぁ…………。
遠いから……。
……それにしてもなんで?
なんで地方ばっかり??
出来るだけこの地元に残りたい。
啓太と離れたくない。
この地元にだって医学部がある大学はあるのに。
「パンフ見た?」
突然後ろから話しかけられてドキッとする。
「そんなビックリするなって笑」
「ご、ごめ…………」
「どっか行きたい大学あったか?」
「……んー……でも遠いし。」
「でも行きたいとこあんだろ?」
………………。
そーだけどさ。
「近いとか、遠いとかじゃなくて、行きたいとこに行くのがいいんだぞ?」
急に啓太の顔が先生になる。
「な、……なんで?
地元の大学でいいのに……。」
「ここら辺の大学よりレベルが上のところ目指しなさい。」
「……なんでっ……」
「それが菜月のためだよ。」
突き放すような言い方。
なんで?
どうして?
私は啓太と離れたくない!
「っでもっ!!」
「どこに行ったって大丈夫だよ。菜月なら大丈夫。」
………………。
「今日は帰るな。また明日。学校で。」
そう言って帰っていく啓太。
啓太が帰った後。
こらえきれず涙が溢れた。