鳴り響くトライアングル
「雅樹せんぱぁーい!お昼手作りにしたのぉ!たべてたべて!」
優菜が
雅樹の上にあったものを
一気に片付け
ナプキンを広げ
弁当を置く。
柚子は
あっけにとられた。
そのお弁当は
まるで恋人につくるような弁当だったからだ。
唐揚げ、卵焼きなどなど
そして極みつけは
ハートのおにぎり。
「……なにこれ?」
柚子がいうと
優菜はにんまり笑った。
「なにってお弁当ですよ?私の手作り弁当♪」
はぁ…と
柚子がため息をついたとき
優菜は雅樹に
あーんとしていた。
柚子は2人をみつめていた。
柚子は何かが違うと気づいた。
そう
いつも嫌々な雅樹が
無表情だけど
どっか不思議な表情で
弁当を食べていたからだ。