MIND ART
「歩く以外の交通手段が何
も無いとなると……
俺たちが行ける所は限ら れてくるな……」

日が地面に車や電車の絵を描いて、その上に大きな
×印を描いているのを見ながら、わたしは言った。
「多分、選択肢は二つ。
逃げないで捕まるか、最後まで逃げ続けるか……」

この、「最後」というのが
「死ぬまで」を意味しているのに日は気付いただろうか捕まるか、死ぬまで逃げ続けるか……
どうして、わたしはみんなみたいにならなかったんだろう?
私は、世界を元に戻す
ヒーローになんてなれないし、どっちかというと、
みんなみたいに操られるほうが、ましなような気がする。
どうなるんだろう?
これから。
そんなことを漠然と考えていると日が突然言った。

「選択肢は二つじゃなくて
三つだ!捕まるか、逃げるか、戦うかだ!」

力強く言う日を見た私は、考えもつかない大変な事が待っているような予感が
した。

「敵は、俺たちに歩く以外の交通手段が無いことを
知っている。俺たちが遠くに行けないことも……」

「しかも、さっき公園で敵に見つかったから、その
公園から歩いて行ける距離の所に絞って私たちを捜している」

「まあどうせ、飛行機が使えたところですぐに全世界がこんな感じになるんだ
安全な場所に行きたいなら地球を出ないとダメだな」

「……じゃあ、私たちはこれから……」

私がここまで言うと、日が続きを言った。

「さっき見つかった公園から、出来るだけ離れた所にいく、だろ?」
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