MIND ART
異変
ピピピピピピピピ……
目覚ましの音。いつもと変わらない朝、いつもと同じ1日、のはずだった。でもその日は違った。
「あれ?お母さん髪型変えた?」
いつも、ゆったりとひとつにまとまるだけの母の髪型が今日は違う。高い位置できつくしばり、先端をまたゴムで結んで大きなピンで留めている。
「お母さん?」
私は例えようのない恐ろしさを覚えた。いつもおしゃべりな母がひとことも話さない。ただ機械のように居間とキッチンを行き来し、朝食の用意をしている。
私は怪しく思いながら、朝食を食べ、学校に行った。具合でも悪いんだ。今日帰ったら、またもとどおりになってるはず……
「おはよう!」
いつものように下駄箱で会った友達に言った。でも、挨拶は返って来ない。
辺りを見回すと、下駄箱にいた女子全員が今朝、母がしていた髪型と同じ髪型をしている。私は慌てた。
えっ!?もしかして最新の流行とか?どうしよう……知らなかった。
明日から私も、と思ったがすぐそんなことはどうでもよくなった。
学校が異様に静かな事に気付いたからだ。いつもならいろんな人の話し声や、階段や廊下を走り回る音がうるさいくらい聞こえているはずなのに。
廊下には、誰もいない。そして教室に入ると私は悲鳴を上げそうになった。
席に全員が座り、同じ姿勢で同じノートに同じシャーペンを使い全く一緒のスピードで漢字の練習をしている。まるで万華鏡を覗いているようだ。本能が働いたのか、私は今すぐここを出なければいけない気がした逃げなければ……
目覚ましの音。いつもと変わらない朝、いつもと同じ1日、のはずだった。でもその日は違った。
「あれ?お母さん髪型変えた?」
いつも、ゆったりとひとつにまとまるだけの母の髪型が今日は違う。高い位置できつくしばり、先端をまたゴムで結んで大きなピンで留めている。
「お母さん?」
私は例えようのない恐ろしさを覚えた。いつもおしゃべりな母がひとことも話さない。ただ機械のように居間とキッチンを行き来し、朝食の用意をしている。
私は怪しく思いながら、朝食を食べ、学校に行った。具合でも悪いんだ。今日帰ったら、またもとどおりになってるはず……
「おはよう!」
いつものように下駄箱で会った友達に言った。でも、挨拶は返って来ない。
辺りを見回すと、下駄箱にいた女子全員が今朝、母がしていた髪型と同じ髪型をしている。私は慌てた。
えっ!?もしかして最新の流行とか?どうしよう……知らなかった。
明日から私も、と思ったがすぐそんなことはどうでもよくなった。
学校が異様に静かな事に気付いたからだ。いつもならいろんな人の話し声や、階段や廊下を走り回る音がうるさいくらい聞こえているはずなのに。
廊下には、誰もいない。そして教室に入ると私は悲鳴を上げそうになった。
席に全員が座り、同じ姿勢で同じノートに同じシャーペンを使い全く一緒のスピードで漢字の練習をしている。まるで万華鏡を覗いているようだ。本能が働いたのか、私は今すぐここを出なければいけない気がした逃げなければ……