空とシャボンとさくらんぼ



今日の補習も無事に終わり、自分の部屋でごろごろする。


お気に入りのクッションを抱きしめながら、考えるのは桜坂くんのこと。


迷惑かけちゃったなぁ、とかサイダー嬉しかったなぁ、とか。



よく分からないけど考えてしまう。



「なんか、お礼、したいな」



うん……何かしたい。


と言っても何もないんだけど……


こういうときって、何をすれば正解なんだろう。



「わかんないよー……」



クッションに顔を埋めて呟く。



熱い……


顔も、体も……



「……クーラーつけよ」













―――――――――――――――――
――――




次の日に、なってしまった。


結局どうすればいいか分からなくて、なんにも考えてない。



うーん……どうすれば………



「何ヘンな顔してるのよ」


「ヘンって……あたしってそんなにヘン?」



この間、桜坂くんにも言われたし。



「登校中に百面相してる女子がいたら、ヘンに思うのも当然だと思うけど?」



お説ごもっともです。



「それにしても暑いわね」


「真琴は髪長いから余計暑そうに見える」


「そうなの。思いきって切っちゃおうかしら」



綺麗な髪なのに……切るぐらいならあたしに分けてほしいぐらいだよ。


あたしと真琴は他愛のない話をしながら学校に着いた。


そのまま教室についてもまだ時間があったので、真琴の席で話す。


真琴の席は入り口のすぐ近く。


だから先生が来たらすぐに分かる。


ある意味でここもいい席だよね。



「でね、」



真琴と新しく出たアイスクリームの話をしていると、がら、と扉が開いた。


誰だろう?と振り返ってみると勢いでぶつかってしまった。





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